1920年代 。白のマフラーは、第一次世界大戦後のバブルに沸く、ウォール街の紳士達から全世界に広がりました。但し、タキシード専用では、ありません。あくまでも防寒の為の実用品です。ウール、カシミヤ、絹、綿等の素材で、織物、ニット、手編みで、無地と織柄の物が有りました。
その当時の礼装用(正確には、礼装で出掛ける際の防寒用)マフラーとしては、人気の白に、鮮黄色、シルバーグレーが流行色。その他に、グレー、海老茶、濃紺、黄褐色等がありました。これらの共通点は、無地or織柄物で、タキシードやシャツにマフラーの毛羽が付かぬ様、織物もニットも、表面が滑らかな品が用いられました。
1930年代。礼装用として純白のスカーフが初登場、その後も1950年代、1970年代に復活再登場しています。
1940年代。白のマフラー復活。礼装用として、黒の毛皮に真紅のサテン地の裏付のマフラーが登場。この後、実用・礼装用の兼用品として、無地or織柄物のウールorカシミヤと、シルクサテンのリバーシブル(両面)マフラーが、広く用いられる様になりました。
1960年代。「ピーコック革命」後は、タキシードは「正しい礼装」から、パーティを楽しむ為の「楽しい礼装」に変わりました。そして、自宅からパーティ会場のクローク迄の「礼装用マフラー」に、関心を持つ人は少なくなりました。
今では、百貨店礼服売場、紳士服専門店でも、扱っている処は殆ど無いと思われます。
さて貴方様は、特別なセレモニー・レセプションに、御出掛けなのでしょうか?
普通のパーティの場合、私は妻と御揃いのスカーフに致します。これが意外に御婦人方に好評で、パーティで、話の切っ掛けになる事が多いです。所詮パーティもタキシードも、遊びです。遊び心と洒落っ気でキメテ下さい。